既存建物は、秩父神社の参道「番場通り」沿いに位置する築１５４年の古民家住宅です。この古民家には店舗部分と蔵が併設しており、「番場通り」の街並みに寄与できる潜在的な魅力がありました。このプロジェクトでは、古民家住宅から観光案内所併設型簡易宿所に改装することを計画しました。

「番場通り」に面した既存店舗部分は宿の帳場機能を持った観光案内所とし、参道を訪れる旅行者に開かれた施設としました。加えて、既存の蔵前面の部分は庇とベンチのある休憩処とし、こちらも旅行者が利用できる開かれた場所としました。建物外観は既存の看板建築様式を利用しつつ、一部損傷の激しい壁面部分を一文字葺きの鋼板張りとし、統一感のある参道の街並みを形成しています。